鳥をお迎えする前に

★鳥と生活するということ

鳥は長い間身近な「ペット」として飼われてきましたが、かつては同じ種類の餌と水だけ与え、ケージの中で飼い続けるというのが主流でした。
今は鳥の栄養がしっかり考えられたフードや、鳥用のおもちゃ、鳥専門の病院など、鳥のQOLの向上が進んでおり、飼育下での寿命は長くなっています。
鳥をお迎えする前に、その鳥を家族として受け入れ、これから共に生活していけるのか、しっかり考えてみましょう

★QOLって?
QOL(Quality of Life クオリティ オブ ライフ)
人間でいえば、物理的な豊かさやサービスの量、個々の身辺自立だけでなく、精神面を含めた生活全体の豊かさと自己実現を含めた概念、とされています。
人生の質生活の質 などと訳されることが多く、生きていく上での満足度をあらわす指標のひとつです。「コンパニオンアニマル」(伴侶や家族・友だちと同じように位置づける意味で「伴侶動物」とも訳されます)や、「環境エンリッチメント」 動物福祉の立場から、飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的な方策)という言葉もよく耳にしますね。単に「可愛いから飼ってみたい」というのがきっかけだったとしても、お迎えした鳥は大事な家族です。きちんとその鳥のことを知って、共に幸せな生活を作っていきたいものです。

 

鳥をお迎え

1.鳥の種別や性別による特徴の把握

大きさ・寿命・鳴き声・必要な環境
上記を把握した上で、個体差があることを理解しましょう。
ひとことで鳥といっても、同じ種類・性別でも、人間と同じでそれぞれに個体差があります。種別や性別による大きな特徴などはありますが、結局はその子次第。
お喋りをしてほしいからオス!と思ってお迎えしてもお喋りしない子もいます。
また、大型の鳥の寿命は飼育下で80年以上生きるとも言われています。
それでも受け入れられるのか、きちんと自身で考えてみましょう。

2.鳥と暮らせる環境

鳥の鳴き声や習性を把握した上で、今の環境で受け入れられますか?
家族と暮らす方は、自身だけではなく、家族にも受け入れてもらわなければなりません。きちんと説明し、家族にも知ってもらいましょう。
呼び鳴きや雄叫びが大きくて家族やご近所さんからの苦情で手放す方も多いです。可愛い囀りでも1日中聞いてるのはつらかったり、耳障りに感じる方もいます。
鳥は基本的に部屋のあちこちで糞をしますし、なんでも囓る子もいます。家にあるもので鳥にとって危険なものもたくさんあります。
そして、ふとした油断で逃してしまうケース、自身がどんなに注意していても、一緒に暮らす家族がついうっかり窓を開け迷子にさせてしまうケースも非常に多いです。
飼育下の鳥は外の世界では生きていけません。
そういったことを家族にもきちんと理解してもらった上で協力してもらえますか?  一人暮らしの方は、ちゃんと鳥のお世話ができますか?

3.何処からお迎えするか

ペットショップ・ブリーダー・保護鳥等の里親
今はSNSなどでも里親を募集しています。
しっかり調べて信頼のおける方からお迎えしましょう。
その鳥種の体格もふまえて、身体に変形など異常がないか、検査はどこまで行っているか、きちんと確認しましょう。

例えばセキセイインコは数千円でもお迎え出来ますが、お迎え後に感染症など病気が見つかり数十万円の治療費を要したり、すぐに亡くなってしまうといった事例もあります。

4.鳥に必要な物

ケージや餌はもちろん、おもちゃや健康管理のための湿度温度計などなど、何が必要になるか確認してみましょう。
冬でなくても万一に備えて、保温器具や保温カバーなども必要です。
鳥にとって最低限必要なもの以外に、その子にとって必要なものもあるかもしれません。
飼育本やインターネットでの検索、そして実際に飼われている方の経験談等を参考に考えてみましょう。
でんちゃん_シェ・ワゾー

5.鳥にかかるお金の話

お迎えするための初期費用もですが、今後家族として迎えいれた場合、毎月または毎年いくら(ランニングコスト)必要なのか。
また寿命までそのお金を払い続けることが出来るのか。
きちんと考えてみましょう。
参考までに、シェ・ワゾーメンバーが暮らしている鳥は、セキセイインコ・ウロコインコ・コザクラインコ、オカメインコ、、、色々いますが、年間平均費用は1羽につき36,000円以上でした。※健康な場合の平均です。あくまでもご参考までに。

6.鳥を診てもらえる病院を見つけておく

病気やケガでなくても定期的に健康診断に行くことは大切です。その為にも病院選びは重要です。動物病院はたくさんありますが、鳥を専門的に診られる病院は限られています。診察可能な動物に「小鳥」とうたっていても適切な診断と処置が出来ない病院は多いです。
最低限「糞検査」「そのう検査」が出来るか確認しましょう。また「鳥類臨床研究会」に所属しているかも1つの参考になります。(これはあくまでも参考で所属していなくても鳥に詳しい医師がいる病院もあります。)

先生が複数人いる場合は、鳥に詳しい先生を確認した上で受診するのもいいでしょう。動物病院のホームページなどで、先生の勤務履歴を確認できる場合もあります。気になる方は調べてみましょう。

※京阪神のみですが、シェワゾーメンバーや信頼のおける方から「鳥を診てくれる病院」をこちらにも記載していますので、よろしければ参考にしてみてください。

7.旅行中など不在時の預け先

様々な事情でやむを得ず、何日か家を空けることがあるかもしれません。
犬や猫のペットホテルはたくさんありますが、鳥にも対応してくれるところ、鳥専門のところはまだ少ないです。また万が一何かあった時のことを考えると、鳥の知識を持ち合わせている方にお願いしたいものです。
安心なのはかかりつけの病院かもしれません。でもペットホテルもしている病院は限られています。鳥専門や鳥の飼育に詳しいペットシッターさんや、鳥飼いさん同士の預けあいが可能な団体など、事前に確認しておきましょう。


どんなに備えていても、思いがけないことはあるものです。それでも事前に確認をしておくことで、少しでも不安を解消し、素早く対応出来るようにしておくことが大切です。
ここに書いていることはほんの一部に過ぎません。
時代とともに色んなものが進歩しています。鳥さんを迎えたら日々勉強することを忘れずに。
鳥とともに幸せな人生を送れますように。

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